中古車販売店には整備工場を併設しているお店も多いが、その工場の実力を見極めるポイントが、重要保安部品を交換整備できるかどうかなのです。 重要保安部品は国家試験に合格した整備士がいる国土交通省・指定工場しか点検整備を行えない。認証・指定工場なら、購入からアフターケアまで安心して任せられるのです。
見たことのないたくさんの工具や機器が並んでいる自動車整備工場。
その工場の実力を見極める重要なポイントが、分解整備ができるかどうか。分解整備とは、エンジンなどの重要保安部品を脱着、交換する整備のこと。
分解整備を行う資格があると管轄の運輸局長の認証を受けた工場が「国土交通省・指定工場」。取り扱い車種と装置により人員、設備、面積が決められている。
とりわけ人員は国家資格を持つ整備士が1人以上いることが条件で、重要保安部品はその整備士がいないと点検、整備を行えない。
その国土交通省・指定工場のうち、設備、技術、管理組織などさらに厳しい基準をクリアしている工場が「指定工場」。
一般的には民間指定工場と呼ばれ、車検の検査ラインを持ち、国の検査場に代わって車検を実施できる。国土交通省・指定工場の目印は、右の2種類の看板。指定工場は両方とも掲げていることもある。
指定工場の最大の特徴は分解整備ができるところ。分解整備とは、エンジンやブレーキなどクルマの走行性能に直接影響を与えたり、万が一の故障が生命にかかわる重要保安部品を脱着し、整備すること(主な分解整備の種類は下記の図を参照)。重要保安部品だけに扱うには高度な技術が必要。国家資格を持つ整備士でなければ扱えないのです。
法廷12ヶ月点検や24ヶ月点検にはこの重要保安部品の分解整備が含まれているので、当然のことながら認証・指定工場でしか行えません。つまり、認証・指定工場を持つお店でクルマを購入すれば、定期点検を他の整備工場にお願いする手間が省けるのです。
各部位を取り外して行う整備または改造
認証・指定工場となるためには、施設の面積用件に決まりがある。屋内作業場となる車両整備作業場、部品整備作業場、点検作業場、車両置き場など、間口や奥行き、広さなどが対象の自動車によって決められている。そして指定工場になると、完成検査場の面積も基準が設けられている。そのほか、工場が住宅地にないかなど周りの環境も配慮されるのだ。また、設備や機器にも基準がある。エアコンブレッサーなどの作業機械、トルクレンチなどの作業計器、比重計などの点検計器および点検装置、部品洗浄槽などの工具がそろっていることが条件。これだけ施設や設備が充実しているのは、頼もしいかぎり!
国土交通省・認証工場は、工員が2人以上、うち整備主任が1人以上必要。そのうち国家資格となる2級整備士が1人以上、かつ工員の4分の1以上が2級整備士の資格を持っていることが条件。車検を行う国土交通省・指定工場は人員条件がさらに厳格。国の検査場と同じ検査を代行するには、国家資格となる自動車検査員が立ち会う必要があるので、最低1人以上の自動車検査員が必要なのだ。ほかに、工員が4人以上必要。そのうち2級以上の整備士資格を持ち、講習を受講した主任技術者が1人以上、整備主任者が1人以上、2級整備士が2人以上、かつ工員の3分の1以上が2級整備士の資格を持っていることが条件なのです。